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2012年1月 4日 (水)

NHKドラマ「平清盛」と古事記のヤマトタケル

まもなく、松山ケンイチ主演「平清盛」が始まります。

うちの息子たち、かなり興味をひかれたようです。「海賊」がポイントですね。

迫力ある「海の戦い」を期待します。

 

確かに、清盛と言えば悪い印象が強いです。

子どもの頃見た、熱病でくるしむ清盛のお話と挿絵が強烈で、「苦しんで死んだ人」のイメージでした。

 

学生の頃、そのイメージを払拭してくれたのが、吉川英治著『新・平家物語』でした。

 

そして、このたびのNHK大河ドラマは、すがすがしい英雄「平清盛」らしいですね。

苦難を乗り越え、偉大な人物になっていくケンイチさん扮する清盛をみて、

震災で苦難を強いられている若者たちがパワーを得てくれるといいと思います。

韓国ドラマのような、三角関係などもあれば、面白い・・・かな?

 

 

平忠盛の嫡子。しかし、本当は白河院の落胤 (らくいん)かもしれなかった清盛。

ふたりの父をもつ「清盛」の描写に期待です。

また、伊勢国との関係も注目すべきところ、かと。

 

伊勢国は奈良時代から(おそらく、それ以前から)東国との海上交通の要地でした。

 

平安時代、安濃津 (あのつ)、桑名津は重要な港だったと考えられています。

 

 
この「海上の道」は『古事記』ヤマトタケルの東征説話と密接な関係があります。

 

また、清盛の「熊野詣」を、神武天皇の熊野村説話をもとに考えると、

物語的にとても面白いんですね。熊野は「死と再生」の聖なる地なのですから・・・

(このことについては、コメントにご要望があり次第書きたいと思います。)

 

 

伊勢に根拠地をもっていた平家、平清盛だからこそ、海上への志向性があり、

海を重視した、と。

 

つまり、古代から発達していた伊勢湾を中心とする海上交通という環境があったからこそ、清盛は「海上」を利用した政策に力を入れたんだと。

 

古代妄想をもっていえば、ヤマトタケルと清盛とは、「海上の道」でつながっていると考えます。 

 

清盛が、厳島 (いつくしま) 神社を崇敬したのも、「海の神話」に強い関心があったからと考えたいですね。ヤマトタケルが伊勢神宮と関係深かったように・・・

 

さらに、2人とも、天皇家の血をひきながら、父である天皇と離別し、悲惨な最期を遂げた「皇子」というところも、共通の物語要素をもっているようで面白いですね。

 

 
 
また、大事な家族を海で命失わせてしまうのも共通します。 

ヤマトタケルは、オトタチバナヒメを・・・

 

平清盛は、安徳天皇をはじめとする平家一族を・・・

 

 

哀しき英雄のお話は、ギリシア神話のヘラクレスとも共通します。

 

(興味のある方は明治書院『徹底比較 日本神話とギリシア神話』をお読みください。 ヘラクレスとヤマトタケルの共通要素などがよくわかります。)

 

 『古事記』のヤマトタケルが、哀しき英雄として古くから日本人に愛されてきたように、ケンイチさん演ずる平清盛が、やはり哀しき英雄として日本中から愛されることを、心よりお祈りいたします。

2012年1月 1日 (日)

古事記成立1300年、日本再出発の年として・・・

新年。

 

新たなはじまりの時です。

 

『古事記』序文に書かれたことを信じると、今年は古事記が世に出て1300年になります。

 

現存する最古の「歴史の書物」がこの『古事記』であると考えると、

 

日本の「歴史」の意識が世に出された初め、と考えて良いのではないでしょうか。

 

最近の考古学NewSでは『古事記』よりも古い文字資料が発表されており、『古事記』よりも古い「歴史の書物」が存在していた可能性は極めて高いでしょう。

 

 

しかし、客観的事実として、『古事記』は長い時を経て「日本のはじまり、世界のはじまりを説くもの」として国民に親しまれてきました。

 

ほぼ同時期に成立した『日本書紀』にも「日本のはじまり、世界のはじまり」が記されていますが、漢文体という外国文化の色濃い書物だったせいか、それとも「ひとつの筋にまとめられていない書きぶり」であったせいか、国民が親しむものとしては『古事記』に及ばなかったような気がします。それは現在、本屋の棚をみても明らかでしょう。『古事記』は田辺聖子氏、阿刀田高氏をはじめ、多くの文学者に口語訳され、近年では三浦佑之氏著『口語訳古事記』が大反響になりました。

 

 

だからといって『日本書紀』が『古事記』に劣るとは考えていません。どなたかが分かりやすくおもしろい『口語訳日本書紀』を発刊されれば、『日本書紀』を読まれなかった方々にも、その魅力がよく分かるはずです。

 

しかし、『日本書紀』成立は西暦720年・・・あと8年後に詳しく書きましょう。

 

『古事記』に戻ります。

 

前にも書きましたが、この記念の年に島根県の方々がお祝いをしようとご尽力なさっています。(詳しくはhttp://www.shimane-shinwa.jp/ 神々の国しまね を参照してください。) 

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  • ある万葉集研究者の方からうかがったお話、とても興味深い催しが多く、島根県を訪れる価値あり、とのこと。ぜひ足を運びたいものです。
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  • 話は飛びますが、 昨年、大震災が日本を襲ったということと、日本の神話とを重ね合わせてしまいます。
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  • 年末、民放の特集番組で大震災の再検証を拝見し、涙しました。 
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  • 改めてお亡くなりになった方々のご冥福をお祈りし、この「歴史」を語り伝えていかなければいけない、と心した次第です。
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  • そして、このような気持ちを、はるか遠いご先祖さまたちも抱かれ、「語り」という記録媒体に託して伝えてきたのです。 
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  • 自然を、「カミ」を、軽んじてはいけない。
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  • 自然を人間が克服できるなど、思い上がってはいけない。 
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  • 数多くの神話、伝説が繰り返し、繰り返し、伝えようとしたこと。
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  • たとえば、『古事記』崇神天皇条に記された、大物主神(おおものぬしのかみ)の説話。
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  • 疫病が広がり、国民が死に絶えようとするほどになります。 
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  • これは大物主神の「御こころ」であり、天皇が謙虚にカミのことばに耳を傾け、実行することで災いは治まり、「国家安平」になったとあります。 
  •  
  • またはスサノオ神話にも、山の神と考えられる「ヤマタノヲロチ」を退治する物語がありますが、『古事記』では、その「ヤマタノヲロチ」の尾から「草薙(くさなぎ)大刀」が出てくると、スサノオはアマテラスに献上し(日本書紀では天神)、現在熱田神宮に祭られています。
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  • 山の神ヤマタノヲロチを退治したものの、その分身とも思われる草薙の剣を、アマテラスが後に(天孫降臨の時に)再び地上へ、伊勢に降し、祭祀させます。 
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  • その剣は景行天皇の時代、ヤマトタケルに渡され、結果として尾張国に留められます。 
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  • そして熱田神宮で現在まで祭られることになるのです。
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  • ヤマタノヲロチをスサノオが退治した、という神話は「人間が山、河を制した」という背景を想像させます。
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  • しかし、わたしは単にそれを「自然服従の神話」とは理解したくありません。
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  • 自然を破壊して何らかの利益を手に入れたあとも、その分身たる大刀を祭り、カミへの畏敬の念を忘れないようにする、日本人の「こころ」を読みとりたいと思います。
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  • 決して、日本のヤマタノヲロチ神話は自然破壊の神話ではないのです。
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  • または「蘇民将来」の神話も私たちに「カミへの謙虚さ」の必要を訴えています。 
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  • 人間は思い上がってはいけないのです。
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  • 自然の怒り、災害が生じたときには「思い上がらす」「たかをくくらず」、とにかく逃げることが必要だということ。
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  • 常に自然に対して「謙虚な気持ち」をもち、「カミを畏れ祀(まつ)る」かのごとくに、自然災害対策を行うこと。
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  • 日本のカミは、時に残酷(祟り神)で、甚大な命と引き替えに「何かを教えよう」とします。
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  • 震災の後に日本人が(もしかすると世界の人が)再認識した「人の絆」「家族の絆」「他者への思いやり」「誠実」「秩序」「節度」「自己犠牲」・・・・「隣にいるひとが生きていることの有り難さ」・・・数々。 
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  • わたしたちは震災で亡くなった尊い犠牲(ぎせい、とも、いけにえ、とも)を無駄にしないためにも、これから起こる災害で犠牲者をださないように努力しなければなりません。
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  • 日本の「歴史」が世に開かれた年、西暦712年。
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  • それから1300年がたちました。 
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  • わたしたちは、この記念の年に改めて「神話」や「伝説」を読み、そこから日本人の大事な「こころ」を再認識すべきではないでしょうか。
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  • 日本人の「絆」の端緒として・・・
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