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2010年3月 2日 (火)

リュウグウノツカイと人魚、そして災害伝説

リュウグウノツカイで地震予知ができたら・・・
そんなことを考えていたら、久しぶりに記事が書きたくなりました。
二月末、次のようなニュースがありました。
  •  香美町香住区余部の沖1キロに仕掛けられた定置網に27日、深海の珍魚「リュウグウノツカイ」2匹が掛かった。長さ4メートルと3・2メートルもある2匹は香住漁港西港で競りにかけられ、競り落とした同漁港近くの「日本海フーズかに市場」店内に28日まで展示されている。
  •  余部漁業生産組合所属の豊漁丸(藤平進船長、8・5トン)が27日朝、水深約30メートルに仕掛けた定置網に掛かった2匹を引き揚げた。
  •  リュウグウノツカイは水深200メートル以上の深海にすむアカマンボウ目の魚。近海での捕獲について京都大学舞鶴水産実験所の甲斐嘉晃助教は「昨年の12月から最近にかけて、京都府宮津市の港でも10匹以上捕れている。原因は分からない」と話している。【毎日新聞より 竹花義憲さんの記事】

と、リュウグウノツカイが各地で掛かり、「朝ズバ」でも取り上げられました。

 年1、2匹が見つかるかどうかの長大な深海魚、リュウグウノツカイが昨秋以降、日本海沿岸に相次いで漂着していることと、今回のチリ大地震、日本への津波をまるで予言していたかのような出来事のように考えます。
 このリュウグウノツカイは昔から「大漁の吉兆」「地震の前触れ」などと各地で言い伝えがあり、今回もその伝説を確かなこととするような感があります。
 深海魚に詳しい尼岡邦夫・北海道大名誉教授は「元々暖流域にすむ魚。日本海では最近、今まで取れなかった南の魚が水揚げされるなどの報告が多い。海水温の上昇と関係があるのかも(朝日新聞)」と推測されていますが、何か関係があるのかもしれません。

  • リュウグウノツカイは体は左右から押しつぶされたように平たく、タチウオのように細長い。頭の部分が最も体高が高く、あとは尾に向かって細くなる。下あごが前方に突き出ており、口は斜め上に向かって開く。歯はない。
    背びれは長く、頭のすぐ後ろから始まって尾びれまで繋がっているが、前端の6つの軟条は糸のように長く発達する。2つの腹びれも糸のように長く発達し、先端が木の葉のようになっている。尾びれも糸状で、尻びれはない。体色は全身が銀白色で、灰色の薄いまだら模様が上下と互い違いに並んでいる。各ひれは赤い。まさに和名「竜宮の遣い」にふさわしい外見をしている。死ぬと色みが消える。(ウィキペディアより)

このリュウグウノツカイはその奇妙な形状から、日本の人魚伝説と関連があると考えられています。
 日本では『日本書紀』に人魚らしい記事がある。人魚というよりリュウグウノツカイと考えた方が理解がしやすい気がします。

 『日本書紀』推古天皇二十七年の夏四月の己亥の朔壬寅の記事に

  •  近江國言さく、「蒲生河に物有り。其の形人の如し」とまうす。
     秋七月に、攝津國に漁父有りて、罟を堀江に沈けり。物有りて罟に入る。其の形兒の如 し。魚にも非ず、人にも非ず、名けむ所を知らず。

とあります。

 『聖徳太子伝暦』には、

  • 太子、左右ニ謂ヒテ曰ク、禍此二始ル。夫レ人魚は瑞物で非ル也。今飛■無クシテ人魚出ヅルハ、是レ国禍と為ス。汝等之ヲ識レ。

とあります。

 また『古今著聞集』にはリュウグウノツカイを想像させる描写があるのです。

  • 『古今著聞集』巻第二十
  • 「伊勢國別保の浦人人魚を獲て前刑部少輔忠盛に献上の事」より
  •  伊勢の国の別保というところへ、平忠盛が出かけたときのことである。

 地元の漁民は毎日網を引いていたが、ある日、奇怪な大魚が網にかかった。
 頭は人間のようで、でも歯は細かくて魚そのものであり、一方、口は猿に似て突き出ており、頭部以外は普通の魚の形をしていた。三頭かかったのを二人で背負って運んだが、尾はなお土に引きずるくらいであった。
 その魚に近寄ると大きく叫び、それがまるで人の泣き声のようである。また、涙を流すのも人間と同じであった。

 さすがに漁民も驚いて、うち二頭を忠盛のもとに持っていったが、忠盛は気味悪がって、すぐに漁民たちに返してしまった。
 そこで彼らはどうしたかというと、魚を切り刻んで食べてしまった。食べたけれど、だれにも別状なかった。味は、ことのほか美味であったという。

 これが人魚のなのかもしれない。

という記事です。

 「頭は人間のようで」とありますが、目が大きいリュウグウノツカイは人の顔のようにも見える。「口は猿に似て突き出ており」は、下あごが前方に突き出ている様子と一致します。「三頭かかったのを二人で背負って運んだが、尾はなお土に引きずるくらいであった。」はまさに新聞報道にある写真そのままです。

 日本各地の人魚伝説は恐ろしい内容のものが多いのですが、特に次の伝承はゾッとするものです。

  • 菊岡沾凉『諸国里人談』巻之一「人魚」より
  •  若狭の国、大飯郡の御浅嶽は魔所と畏れられ、八合目より上には登らない。そこの御浅明神の使者は人魚であると言い伝えられている。
  •  宝永年間のこと、乙見村の漁師が漁に出て、変なものが岩の上に寝ているのを見た。
     頭部は人間だが、首廻りに鶏冠みたいなヒラヒラした赤い物が巻いていて、そこから下の身体は魚だった。漁師はそいつを、深い考えもなく手にした櫂でぶん殴った。
     一撃で死んでしまったので、死骸を海に投げ入れて帰ったが、それから大風が起こって、海鳴りは七日間にわたってやまない。
  •  三十日ばかり過ぎて大地震が起こり、御浅嶽の麓から海辺まで地面が裂けて、乙見村まるごと地中に呑み込まれた。
     明神の祟りだという。

とあります。この伝説の人魚も頭部だけが人間で、「首廻りに鶏冠みたいなヒラヒラした赤い物が巻いて」いたとあり、これもリュウグウノツカイの赤くて、長い背びれを想像させます。

 このような人魚伝説の真実はわかりません。しかし、日本の古典文学の世界には決して「迷信」とはいえない何かかあるような気がします。リュウグウノツカイと人魚伝説がつながるかどうかも曖昧です。ですが・・・

 今後日本で大地震がおきるかもしれません。東海大地震のこともあります。すぐ避難できように準備をしておきましょう。そのような心構えをリュウグウノツカイ漂着は促しているのかもしれません。

 チリ地震は胸が締め付けられるようにつらい出来事でした。父を求め探す子どもたちの姿が頭から離れません。

 明日は我が身かも、我が子どもかも、と思うと・・・・・

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コメント

ほんとにそうでしたね。おどろきました。

主さま
去年から今年(3013年~2014年)にかけて、日本の沿岸でこれまで異常にリュウグウノツカイやダイオウイカが捕獲されていますが、このことも非常に気になっています。何かお考えがあれば聞かせてください。

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