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2008年11月28日 (金)

【映画と日本文化】振り返らない千尋

「千と千尋の神隠し」のラスト、なぜ千尋はふりかえってはいけなかったのか。

それは、神の国を脱出するときには

振り返ってはいけないという、決まりがあるから・・・かもしれません。

あのシーンですぐに思い浮かんだのは

オルペウス神話です。

たて琴の名人オルペウスの妻エウリュディケーは、

毒蛇にかまれて死んでしまい、

死者の国冥界へいってしまいます。

オルペウスは妻を取り戻すために冥府へ。

さまざまな試練も、

たて琴で奏でる音楽のすばらしさで乗り越え、

ついには冥界王ハーデースもたて琴を奏でて魅了し、

エウリュディケーを取り戻す約束をします。

ハーデースは、

「冥界から抜け出すまでの間、

決して後ろを振り返ってはならない」と

約束させました。

オルペウスはエウリュディケーの手を引いて

冥界から抜けだそうとします。

しかし、あと少しというところで

オルペウスは心配になり、

後ろを振り向いてしまいます。

そして、その結果、

妻は冥界へまた連れ去られてしまったのでした

これはギリシア神話ですが、世界によくあるパターンです。

日本では、浦島太郎のお話がもっとも近いかも。

いきはよいよい、

帰りはこわい、

こわいながらも

とぉおりゃんせ、とぉおりゃんせ

こんな「わらべうた」もあるように、

神の国の帰りは「こわい」のです。

絶対に約束を守らなければならない。

神話の世界では、帰るとき、

「振り向いてはいけない」

のは、ずっとずっと昔からの決めごとで、

もし千尋が振り返ったら

ふたたび千尋はとらわれて、

神の世界からかえれなくなるのでしょう。

約束をまもること・・・

それは神の国にとって、

ひいては私たちの世界にとっても

大事な、昔からの「決まりごと」なのです。

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